治らない腰痛を紐解く
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治らないのは
腰が悪いのではなく
腰が働きすぎている
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治療家 藤田隆弘です。
何年も腰が痛い。
もう十年以上付き合っている。
腰痛は身体の悩みの
ベスト3に必ず入ります。
それだけ多くの方が悩み
その多くが何年も
抱えたままでいます。
マッサージや電気に湿布や注射。
そのときは楽になっても
また同じ場所が痛くなる。
そして多くの方が思います。
自分の腰はもう治らないのだと。
その考え方を今日だけ
手放してみてください。
何年も治らない腰痛は
腰そのものが原因とは
限らないからです。
痛む場所と原因のある場所は
違うことがあります。
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関節には得意な仕事がある
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身体の関節にはそれぞれ
得意な仕事があります。
専門的にはモビリティと
スタビリティと呼ばれます。
モビリティとは動く力。
スタビリティとは支える力。
・・・
バイオメカニクスの視点で
大きく分けてみます。
足首は<動くこと>が得意。
膝は<支えること>が得意。
股関節は<動くこと>が得意。
腰椎は<支えること>が得意。
腰椎とは腰の背骨のことです。
動く。
支える。
動く。
支える。
関節は下から得意な仕事が
交互に並んでいるのです。
慢性の腰痛もこの考え方に
当てはめると見え方が変わります。
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ねじる仕事は誰の担当?
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腰にも動きはありますが
大きなねじれは担当しません。
身体をねじる動きは股関節や
胸椎などが大きく分担し
腰椎はその間で捻じれではなく
身体を<支える>のを担当します。
その関係が崩れて
ねじれが腰に集まると
腰は傷みます。
担当ではない仕事を
毎日させられるからです。
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腰に負担が集まるとき
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もちろん腰そのものに原因が
ある場合もあります。
その場合は腰への治療で
改善していくことがあります。
けれど何年も治らない方は
それをしても戻ってきます。
腰を治療しても繰り返すなら
腰以外にも原因を探していく。
そこが長引く腰痛を
紐解く糸口になります。
足首が固い。
股関節の動きが悪い。
股関節と骨盤の連動が悪い。
骨盤と腰椎の連動が悪い。
そのような状況でも身体は
動くことをあきらめません。
本来は腰椎以外の関節が
担当するはずの動きを最終的に
腰椎が引き受け始めます。
担当でない仕事を
やらされるなんて
あなたでも嫌ですよね。
もう一度整理すると
他の関節の動きや連動が
悪くなった分の負担を
腰椎が引き受けて
働かされているのです。
これが慢性腰痛が
改善しない理由の一つです。
つまり、
腰が悪いのではなく
腰が働きすぎている。
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柔らかいだけでは足りない
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腰痛の原因が
股関節が硬いだけなら
柔らかくすれば済むはずです。
ところが180度の開脚が
できる方でも腰痛になります。
柔らかいことと
正しく使えていることは別です。
関節は安定させて使えなければ
連動はうまくいきません。
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ある女優さんの腰痛
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今年の春に舞台や撮影で
身体を酷使してこられた
女優さんを診ました。
長年の腰痛を抱えておられ
十五分ほど座っているだけでも
腰や股関節が痛くなる。
車や飛行機での移動も
つらいという状態でした。
すると見えてきたのは股関節。
股関節を安定させて使えず
股関節と骨盤と腰椎の連動に
問題があると考えました。
そこで股関節への施術と
運動の指導を数回に分けて
行いました。
しばらくしてご本人から
こんな連絡が届きました。
「二時間のミュージカルを
最後まで観られました」
もちろんすべての方に
同じ結果が出るとは限りません。
僕がしたのは股関節が
動くようにしてその動きを
骨盤や腰椎とつなげること。
やったことは
腰がしていた仕事を減らすこと。
それだけです。
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十年治らないのではない
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十年間、腰が痛い。
けれどそれは腰が十年間
治らなかったという
意味ではありません。
十年間やり続けた腰に
負担のかかる動きが
あったということです。
慢性の腰痛の方に多いのは
股関節より先に腰を使う動きが
癖になっている方がいます。
臨床でそう感じています。
・・・
ではなぜ
そうなったのか。
ぎっくり腰をやったとき。
ヘルニアの痛みがひどいとき。
腰の激痛を経験すると
上半身を前へ倒すことが
怖くなることがあります。
椅子から立ち上がる時も
その恐怖から逃れようと
上半身を真っ直ぐに
起こしたまま
立ち上がろうとします。
これは痛みを避けるために
上半身を曲げずに動こうとする
逃避動作です。
痛みが強い時には
それでいいのです。
あの時それは正しかった。
腰を守るための
必要な動きでした。
問題は痛みが消えたあとも
その動きが残ることです。
前へ倒れないようにすると
股関節が十分に使わず
立ち上がるようになります。
脳が覚えるのは
立ち方だけではありません。
股関節を使わずに
動く方法そのものです。
前かがみになるとき。
物を拾うとき。
靴を履くとき。
日常のさまざまな場面でも
股関節を使わず
腰を使う動きが
続いていきます。
あの日
腰を守ってくれた動きが
痛みがなくなった今も残り
腰痛を長引かせている
こともあるのです。
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立ち上がり方を見てみる
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椅子から立ち上がるとき
十分に上半身を前に倒して
お辞儀をしているでしょうか。
どれくらい倒すのか。
目安は頭が
膝より少し前に
出るくらいです。
そこまで股関節を曲げて
身体を前へ運んでから
立ち上がります。
それとも上半身を
起こしたまま
真上へ立とうとして
いないでしょうか。
後者であれば
前への重心移動が少なく
腰へ負担が
偏りやすくなります。
・・・
ここで椅子に座るときを
思い出してください。
お尻を後ろに引きながら
上半身を前に倒します。
つまり
お辞儀をしています。
誰にも教わっていません。
それが自然な動きです。
立ち上がるときは
その逆をたどるだけです。
座るときはお辞儀をする。
立つときはしていない。
同じ椅子の行き帰りで
片道だけが違うのです。
立ち上がる動きだけが
痛みへの恐怖と
結びついたからです。
・・・
腰への負担が少ない
立ち上がり方は
まず股関節から
上半身を前に倒す。
頭が膝より少し前に出る。
そこから立ち上がります。
そうするとお尻は
椅子から離れやすくなります。
前に倒しにくい方は
足の幅を少し
広げてみてください。
・・・
やってみると
感覚が違います。
お辞儀をして立つと
足の裏に体重が乗ります。
脚で立っている感覚です。
お辞儀をせずに立つと
腰のあたりで身体を
持ち上げる感じがします。
普段どちらで
立っているでしょうか。
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覚えた動きは覚え直す
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ここが今日いちばん
お伝えしたいところです。
覚えたものは
覚え直す。
無意識にやっている動作を
意識してやり直していく。
最新のリハビリでも
こうした動作の学び直しは
慢性痛を改善するうえで
大切にされています。
一日に何十回もある
立ち上がりのうち
まずは三回だけ
意識してみてください。
朝起きたとき。
食事のあと。
寝る前。
その繰り返しが
新しい動きを覚える
きっかけになります。
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腰だけを見ない
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腰痛の原因が
股関節だけだと
言いたいのではありません。
大切なのは
なぜ腰に負担が
集まっているのかです。
とくに股関節は
柔らかくするだけでは
足りません。
きちんと動かせること。
安定して使えること。
そして骨盤や腰と
うまく連動することが
大切です。
・・・
慢性の腰痛を変えるには
治療する側と患者さんの
二人三脚が必要です。
動きにくくなった関節を
動けるようにする。
身体の連動を整えていく。
これは治療する側の役目です。
けれど毎日の動き方を
覚え直していくのは
ご自身にしかできません。
治療で身体を整える。
日常では正しい動きを
繰り返して覚える。
この二つが揃ったとき
長年続いた腰痛も
変わり始めます。
・・・
なお前に倒すと
痛みが出る方。
お辞儀をしようとしても
どうしてもできない方。
痛みが長く続く場合。
夜中に痛みで
目が覚めるような場合。
脚の痺れや
力の入りにくさが
ある場合。
そうしたときは
まず医療機関で
精密検査を受けてください。
そこで大きな異常が
見つからない場合は
身体の専門家に
股関節をうまく使えているか。
身体全体がきちんと
連動して動いているか。
そうしたところも
見てもらってください。
自分では気づけない動きが
あるからです。
腰が痛いからといって
腰が悪いとは限りません。
次に椅子から立つとき
少しだけ動き方を
意識してみてください。
そこが腰痛を変える
最初の一歩になるかも
しれません。
・・・
最後までお読みいただき
本当にありがとうございました。
あなたの体と心が
少しでも軽くなりますように。
あなたの健康と笑顔が
誰かのための幸せな一歩に
繋がっていきますように。
治療家 藤田隆弘
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